2017年度就実英文学会総会 秋も深まり冬の足音が近づく中、実践英語学科では就実英文学会を開催します。前半の総会では、学会の決算報告やTOEIC高得点者の表彰などが行われます。それに続き、外部から英語関連の専門家をお招きして、ふだんの授業とは異なるテーマでご講演いただき、英語について学びを深めます。お越しになる先生方は著名な方々ばかりで、学生さんはもとより、学外の方々もこの講演会を聴きにいらっしゃいます。この学会を終えると、「あぁ…一年ももう終わりか…」という気持ちになります。以下ではその学会についてのお知らせと、実際の模様の一部をお伝えします。 11/11@就実大学
 Ⅰ―就実大学英文学会記念講演会のお知らせ
記念講演会 日時:11月11日(土)14時より 場所:就実大学S101教室 講師:神戸市外国語大学教授・副学長 山口治彦先生 演題:Manga :翻訳が作り出した新たなジャンル 山口先生より 日本のマンガは英語に翻訳されると、しばしばmangaと呼ばれます。Japanese comicsと呼んでおけばよさそうなのに、mangaとわざわざ外来語で呼ぶのは、mangaが他のcomicsとは異なる特別な地位を築いたからでしょう。しかもmangaは、英語への翻訳の過程を経て、日本語のマンガにはもともとなかった特徴を持つにいたりました。その意味においてmangaは、もはやマンガと同一ではないのです。マンガが本格的に英語に翻訳されるのは1980年代後半からですが、そこから20年くらいの短い期間で、mangaという新たなジャンルが翻訳を通して確立されました。Mangaが北米地域でどのように受け入られたのか、ことばに関わるどのような要因があったのか、跡付けてみましょう。 山口先生のご紹介 大阪市立大学大学院文学研究科後期博士課程単位取得退学。文学修士。金沢大学教育学部講師、助教授を経て、現在、神戸市外国語大学教授。同副学長。 主な著書 『語りのレトリック』(海鳴社、1998年)、『明晰な引用、しなやかな引用:話法の日英対照研究』(くろしお出版、2009年)、「談話研究室にようこそ(1)-(81)」(三省堂ワードワイズ・ウェブ、2011-2014年)➡http://dictionary.sanseido-publ.co.jp/wp/index.php
 Ⅱ―就実大学英文学会記念講演会開催
平成29年11月11日(土)、就実英文学会総会および学術講演会が開催されました。総会では活動報告、会計報告、English Café Prize(2名)、TOEIC High Score Prize(1名)の表彰が行われました。記念講演会では神戸市外国語大学の山口治彦先生から「Manga:翻訳が作り出した新たなジャンル」というテーマで講演を行っていただきました。日本の「マンガ」が“Japanese Comics”ではなく“Manga”として北米で受容された背景に言語学的観点からアプローチする試みはユニークであり、講演後のアンケート調査のコメントからも、海外における日本の「マンガ」の立ち位置に対する興味・関心の高さを窺うことができました。