就実大学・就実短期大学

表現文化学科

イギリス夏期研修

2008年度イギリス夏期研修

イギリスでの語学研修を終えて

文化コミュニケーション学科教授 田淵博文

平成20年8月15日から9月7日にかけて、実践英語学科在学の9名の学生が、イギリス(England)の北東部に位置するダラム(Durham)大学の語学センターでの3週間の研修に参加し、無遅刻無欠席で全員終了書を得ることができた。学生たちは最初の2週間は研修場所から徒歩で5分間の距離にあるSt. John’s College寮に宿泊し、最後の1週間はホームステイ先に滞在した。ほとんどの学生が海外旅行は初めての経験であったので、ダラムに到着した夜は少し緊張し不安がっていたが、日が経つにつれて仲間と打ち解けていき、授業を通して自信をつけ、地元の人にも積極的に話しかけるようになり、イギリスでの生活を楽しんでいったような気がする。





私が嬉しかったことは、学生たちが健康的で明るく素直で、毎朝食事を作ってくださっている人たちに元気な声で挨拶していたことである。私はと言えば、2週間の寮生活を通じて朝晩の食事を共にし、学生の名前を覚えることができ、気性や性格も徐々にわかるようになったことだ。全く一度も話をしたことのなかった学生と少し冗談を言えるまでにもなり、色々とコンピューターの使い方などを逆に教えてもらったこともあった。ダラムでの生活はわずか3週間であったが、学生たちはイギリスの天気、食事、彼らの思考方法などを経験を通して学んでいったと理解している。






各週末には1日旅行が組まれており、エジンバラや湖水地方やヨークなどの観光地を見学し、見聞を広めることができた。月曜日から金曜日の午前中は授業中心であるので、このような1日旅行やニューキャスルへの小旅行などで、思う存分買い物などをすることによって、ストレスを発散し活力を維持できたと考えている。「健康に勝るものなし」と言われているが、学生たちは毎朝きちんと食事をとってくれていたので心配は無用であった。若い学生たちの適応力はすごいもので空いてる時間を見つけると、地図を頼りに友達と連れ立って出かけていた。日が経つにつれて自主性が目覚めて、行動範囲も広がり移動距離も増えていった。





1週間が経過した頃には、学生をたくましいと感じるようになった。
私は英語を教える者として、実践英語学科の学生に「ショウガール」というミュージカルを是非とも見てもらいたかったことと、劇の合間の雰囲気を味わってもらいたかったのでGalaのチケット販売所に一緒に行きチケットを購入した。終演が夜の10時半頃になって、学生と一緒に暗い夜道をとぼとぼと石畳の坂を上って寮に帰ったことも、今では私の楽しい思い出の一つになっている。市庁舎のガイド付き案内やダラム城のガイド付き見学なども、研修のプログラムにはなかったが、一部の学生からの要望で実現する運びになった。「経験は最上の教師である」という諺があるが、百聞は一見に如かずである。イギリスの歴史の一断面を垣間見ることができ、歴史を学ぶことの大切さを身をもって感じたと思う。
2週間の楽しい寮生活を終えて、明日からホームステイ先に行くという晩は、ダラムでの生活に慣れてきていた学生にとっても、少し不安で寂しそうであった。私は一介の引率者であったが、彼らの親みたいな気持になって、うまく適応してくれと祈るような心境であった。彼らの不安を解消するために、ホストファミリーの世話係であるDiane Cockburn先生に研修場所に来てもらい、事前に引き受け先の家族の説明をしてもらっていたので、受け入れに多少の程度の差はあったが、学生たちは一つの壁を乗り越えることができたと確信している。寮生活とは全く異なる不自由さを体験することによって、コミュニケーションを円滑に行うための道具である英語の大切さを痛感し、同時に日本にいる両親や家族のことを思い、家庭のありがたさを実感したことだろう。
無事に3週間の語学研修を終えることができたのも、ひとえにダラム大学の語学センターのスタッフ、語学教師陣、ホストファミリーの人たちの献身的な努力と忍耐とサービス精神のおかげであると思う。また学生の一人一人が心のすきを見せず、自覚と責任感を持って行動してくれたことが、この研修を有意義なものにしてくれたと考えている。
強風が吹き雨が激しく降りしきる9月7日の早朝にダラムを離れるとき、学生たちがホストファミリーの人たちと涙を流し別れを惜しんでいる姿を見て、異文化体験をすることの素晴らしさを改めて感じた。
人生とは、経験の重みの連続である。イギリスでの語学研修で学んだ貴重な体験を心の糧として、今後の人生において更に大きく飛躍してもらいたいものである。


イギリス海外研修レポート08’

実践英語学科3年 澤口可奈

◆ 異文化体験
私にとっての生まれてはじめての海外。小さいころから憧れていたイギリス。イギリスは四季もあり、車も左側車線で日本と結構似ている‥‥と思っていました。でも実際イギリスに行ってみると違うことだらけでした。
まず、季節は夏でしたが気温は高くて15度、雨の日は7度でした。寒いというのは知っていましたが、こんなに寒いのは予想外で半袖に上着では寒くて学校に行く朝はジャージをさらに着て登校しました。イギリスにいた3週間の内でもだんだん寒さが増していっていました。
天気は恵まれて晴れの日が多く、日本でいう秋を毎日楽しんでいました。でも最後の1週間は雨が増え、気温も下がり、風も吹き、日本では完全に冬ぐらいでした。白い息が出て、手はかるくかじかみました。イギリスの天気は全く読めませんでした。晴れていてもだんだん曇り‥‥雨。雨が降ってきて雨宿りでお店へ‥‥10分ぐらいして外を見ると晴れていたり。またイギリス人は雨でも傘をさす人は半分ぐらい。フード付きの服や上着を着ている人が多く、雨が降ってくるとフードを被り普通に歩いていました。他の人は店先で雨宿りしたり、気にせずそのまま歩いていたり。イギリス人の折りたたみ傘率は高かったです。
イギリスの主食はポテト。やっぱりごはんが恋しくなりました。毎回ポテトがいっぱいでした。でもジャガバターだったり、マッシュドポテトだったり、ポテトフライだったりで飽きたりはしませんでした。それにイギリスのベーコンは日本のよりもかなり美味しかったです。
私がイギリスに行ってショックだったことは、きれいなイギリスの街にはたくさんのゴミが散らかっていたことです。道はタバコの吸い殻、フード店の袋、落ちた食べ物の放置、臭いにおい。日本よりも汚く感じました。せっかくの絵本みたいな町並みなが台無しで残念でした。
そして1番不思議だったのがイギリスでは21時すぎないと真っ暗にならないことです。20時でもまだ夕方かな?と思うぐらい明るくてついつい帰るのが遅くなりそうでした。


◆授業
内容はほぼEPと思ってもらったらいいです。買い物をするときや、レストランで使いそうな会話、丁寧な言い回しや悪い言い回しなどを習いました。また図書館に行ったり、教室を出て街で地元の人や店員さんに尋ねてダラムについて調べたりと楽しい授業でした。授業は私たち9人だけなのでたくさん当たって発言をする機会が多くてよかったと思いました。ほとんどが挙手で発言する授業だったのでいっぱい手を上げました。
グループワークが多くて、3グループに分かれてイギリスと日本の朝食の違いを絵で書いたり、ポエムを考えて書いたり楽しかったです。
授業の先生は主に3人で毎回ローテンションで先生が変わっていました。みんなフレンドリーでいい先生でした。休憩時間にはおいしくて安いお店まで案内してくれて、みんなで買って食べて、次の授業という日がありました。イギリスの物価は高くて日本よりもスタバの値段が高かったりしましたが、安くておいしいお店もあるので、ランチや授業の合間はそこによく行っていました。
先生に安いスーパーやいい服屋さんを聞いたら親切に教えてくれました。


◆寮
最初の2週間は大学の寮生活。寮は授業を受けるところに近くて歩いて10分もかかりませんでした。それにダラム大聖堂がすごく近くて鐘の音が毎日聞こえていました。
私たちは3階分に部屋が別れていました。先生、4人組、5人組で階が違いました。部屋は1人部屋。タンス付き机、クローゼット、ベッド、流し、鏡がありました。お風呂とトイレは階ごとに共同でドライヤーを割り勘で買いました。お風呂もトイレも2つあったのでそんなに込むことは無かったです。各階に小さなキッチンがあり、そこの冷蔵庫で買いだめしておいたお水を冷やしていました。
洗濯は3日に1回みんなでして、1つの洗濯機に2人分ずつ入れて割り勘していました。乾燥機もありましたが、あまり乾かなかったのでクローゼットやタンスにかけて乾かしていました。
寮の朝食は大量。ベーコン、目玉焼き、ポテト、トマト、マッシュールーム、ウインナー、パン、フルーツ。でもあまり食べない人はシリアルだけでもいいし、パンだけでも大丈夫でした。ごはんは広い食事室で、寮に宿泊している人たちがみんな一緒に食べました。中には白人のお兄さんや、老夫婦の方、家族もいました。
寮にはパソコンルームがあったので、そこで家族や友達にメールを送ることができました。日本語対応だったので日本語で送ることが出来ました。
ここでは心配だったホームシックにもならずに楽しく毎日過ごせれました。夜は何人かで部屋に集まってトランプをしたり、友達と語ったり、さんぽをしたりしました。
寮の人はみんなすごくいい人でした。仲良くなると、朝ごはんのときに毎回話しかけてくれる人もいました。いろいろ話もできて本当に寮生活は楽しくていい思い出になりました。


◆ホームステイ
私のホストファミリーは共働きの夫婦に20歳の娘さん、それに2匹のラブラドールの兄弟でした。奥さんはこのとき仕事をしていないようで毎日家で家事をしていました。旦那さんは医療関係の仕事で主に夜勤なので昼間は家で食事を奥さんと作ったりしていました。娘さんはロンドンの有名な大学で法学を勉強していてちょうど帰宅してきていました。タバコは吸わないでほしいと書いたはずなのに、夫婦ですぱすぱいつでも吸っていました。
ホームステイ先での朝ごはんはシリアル。寮のときと比べると少なくて授業中は毎日お腹が空いておやつが必需品でした。1週間のホームステイ中で私は毎朝奥さんに○時に起こしてと言われました。でも1度だけ起こしても返事だけで起きてこなく、朝食も食べられず学校に行った日がありました。朝ごはん抜きで30分の歩き登校はとてもつらかったです。でも夜ご飯はすごく美味しかったです。カレーと白いごはんを出してくれた日は嬉しかったです。でも夜ごはんの時間が20時か21時だったのですごくお腹が空きました。
学校へは歩き。歩いて15分と聞いていたので安心していたのに、実際どんなに早足で行っても30分かかりました。ホストファミリーは詳しく道を教えてくれなく、地図を渡され、帰りははじめての道を渡された手書きのアバウトな地図をたよりに帰りました。初日は迷って1時間かかりました。
お風呂は毎日入れ、お湯もためてくれました。でもシャワーは使ったらダメと言われ、泡風呂にされた湯船から出るときはおけにお湯をため、きれいなお湯で1回流しただけでした。
私の部屋は十分な広さで、机、クローゼット、セミダブルベッドがありました。ホームステイ中はどこに居ればいいのかが分からなく、ほとんどの時間をここで過ごしました。それに初日にホームシックになり、夜は部屋で1人涙が出て大変でした。
最後の帰国の日は奥さんしか起きてこなく、旦那さんと娘さんには会えずに前日の「Good night」が最後の会話でした。かなりサッパリとおわり、感動がなくてつらいホームステイでした。でもなかなかホームステイは出来ることではないので、リアルなイギリスの生活を体験できてよかったと思いました。


イギリス夏季研修を終えて

実践英語学科3年 川上智美

私にとってこの研修は初めての海外旅行で、最初はとても不安でした。しかし実際にダラムで過ごすと、とてもいい町だということがわかりました。とても閑静なところで治安もよく、人々もとても親切でした。だから、寮でも学校でも楽しい時間を過ごすことができました。寮であるセント・ジョーンズカレッジから歩いて5分くらいのところに私たちが勉強する教室がありました。そこは世界遺産でもあり、ハリー・ポッターのロケ地にもなったダラム大聖堂の畔にある交番の中の一室でした。授業はEPの授業とよく似た授業で、午前中に2時間ありました。 
授業の他に小旅行もあり、ニューカッスル、湖水地方、ヨーク、エディンバラに行きました。




どこもダラムよりも都会で人通りも凄く多かったです。どの場所も歴史的建物が多く、印象に残っていますが、私が一番印象に残ったのはエディンバラです。ダラムからバスで約3時間かかるためあまりいろいろな所に行けなかったのが残念でした。さすがスコットランドの首都だと思いました。歴史的建造物や博物館、大きなショッピング通りなどがたくさんありました。時間が限られていたので行きたい所から順に回っていきました。やはりエディンバラ城に行かなくてはと思い、最初に行きました。世界各国から観光客が訪れており、すごい人だかりでした。中に入ってみるとかなり敷地が広く、驚きました。



高台へ上るとそこからは街全体を見下ろすことができ、とてもきれいでした。またそこで結婚式を見ることもでき、とても幸運でした。また、エディンバラではタータンチェックを着てバグパイプを演奏する人をあらゆるところで見かけました。とても素晴らしい音色でした。

最後の週、一番不安だったホームステイが始まりました。話しかけられてもなかなか会話が続かないし、聞き取れないことも多く、自分でも悲しくなってしまいました。アメリカ英語とイギリス英語の違いで単語が通じないこともしばしばありました。しかし、私のホストはとても優しい方で、私が話した内容がおかしかったら直してくれましたし、いろいろな話をしてくれました。不安は尽きませんでしたが、楽しい時間を過ごすことができました。


この研修を通して私は多くのことを学ぶことができました。その土地の文化や歴史を学んだだけでなく、躊躇せず積極的に英語で話せるようになったと思います。小旅行で様々な所へ行ったり、ホームステイをしたりと普段体験できないことができました。とても充実した3週間でした。