2012年度公開講演会開催のお知らせ
講演会開催のお知らせ 就実大学英文学会の主催により11月17日(土)に,NHK国際放送局の英語アナウンサーをされている青谷優子さんをお迎えして講演会を開催します。青谷さんはNHKの英語アナウンサーの仕事と並行して,日本の文学作品を英語で朗読し,海外に日本文化を伝える活動をライフワークとされています。講演ではプロの視点から「伝える」技術,英語朗読の効果的な練習方法などをお話しくださる予定です。 青谷優子さんより 英語でプレゼンしたりスピーチをしても,棒読みになってしまって聞き手の心に届かない!こんな悩みを抱えている人は実は多いのではないでしょうか。そこで英語アナウンサーとしての経験やトレーニングを通して習得した「伝わる」英語を皆さんとシェアしたいと思います。 ニュースや物語等,様々な種類の原稿を題材に,実際に声に出して読みながら,文章の解釈,発声,そして言葉一つ一つとどう向き合うのかについて考えていきます。難しいことはありません。いつも日本語を話しているように英語を話せばよいのです。 「そんなの無理!?」と思わないで是非,一緒にトライしてみませんか?私の英語朗読も是非聞いてみてください! |
2011年度講演会
講師: 柴田元幸先生(東京大学大学院教授)
演題: 翻訳について ―アメリカ文学を中心に―
2011年19日(土)14:00-15:30
場所: 就実大学T館6階 T611講義室
講演は、まず、子供たちが遊んでいて、お屋敷の塀の中で何が起きているかわからない時に、塀の上に登れた子が他の子供たちに話をする、それが外国文学を翻訳するということだ、という喩え話から始まりました。そして小説の翻訳は、内容の面白さが伝われば必ずしも正確に翻訳していなくてもよい、と作家は思っているのだということをアメリカの作家レベッカ・ブラウンとの対談を例にとって話されました。
次に、エドワード・ゴーリーの書いた大人のための絵本The Doubtful Guest(『うろんな客』)をスクリーンで示して、この物語を翻訳したとき、その文章の特徴である韻文であることと、内容の不思議さを日本語で表わすため、日本の定型詩である短歌の形をとり、最後を四文字熟語で締めくくるなど、工夫を凝らした点について語られました。
続いて、小説を翻訳するときには、「作者の声」を大切に、余計なものが加わらないように気をつける、英語の単語の性質―アングロ・サクソン系のことばとラテン系のことば―を日本語では大和言葉と漢語とで表す、長い文はできるだけ切らない、語順はなるべく変えない、など、翻訳のコツについて話されました。そして、ご自身の翻訳であるレベッカ・ブラウンの短編集『体の贈り物』から「汗の贈り物」を朗読してくださいました。そのリズミカルな気迫のこもった朗読は感動的でした。
また、百年前にアメリカで流行していたカラフルな新聞漫画をスクリーンに写され、説明されましたが、その、凝った絵と文章の不思議な魅力に皆が驚き魅せられました。
さらに、作家が嫌がる質問は、1.この作品はどれくらい自伝的ですか、2.この作品で何を言おうとしたのですか、3.誰の影響を受けていますか、であることなど、現代の作家と密に交流をしながら翻訳をされている柴田先生ならではの話も聞くことができ、興味の尽きない講演でした。
学外からの聴衆の中にはわざわざ大阪から来られた方もいらして、柴田先生の熱心なファンもお見受けしました。質疑応答を含め1時間半強の講演でしたが、あっという間に過ぎて行きました。
演題: 翻訳について ―アメリカ文学を中心に―
2011年19日(土)14:00-15:30
場所: 就実大学T館6階 T611講義室
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月19日(土)午後2時より東大大学院教授であり、現代アメリカ文学の翻訳家、研究者として非常に有名な柴田先生の講演会がありました。あいにく朝から雨が降っていましたが、会場のT611教室はほとんど埋まっていました。講演は、まず、子供たちが遊んでいて、お屋敷の塀の中で何が起きているかわからない時に、塀の上に登れた子が他の子供たちに話をする、それが外国文学を翻訳するということだ、という喩え話から始まりました。そして小説の翻訳は、内容の面白さが伝われば必ずしも正確に翻訳していなくてもよい、と作家は思っているのだということをアメリカの作家レベッカ・ブラウンとの対談を例にとって話されました。
次に、エドワード・ゴーリーの書いた大人のための絵本The Doubtful Guest(『うろんな客』)をスクリーンで示して、この物語を翻訳したとき、その文章の特徴である韻文であることと、内容の不思議さを日本語で表わすため、日本の定型詩である短歌の形をとり、最後を四文字熟語で締めくくるなど、工夫を凝らした点について語られました。
続いて、小説を翻訳するときには、「作者の声」を大切に、余計なものが加わらないように気をつける、英語の単語の性質―アングロ・サクソン系のことばとラテン系のことば―を日本語では大和言葉と漢語とで表す、長い文はできるだけ切らない、語順はなるべく変えない、など、翻訳のコツについて話されました。そして、ご自身の翻訳であるレベッカ・ブラウンの短編集『体の贈り物』から「汗の贈り物」を朗読してくださいました。そのリズミカルな気迫のこもった朗読は感動的でした。
また、百年前にアメリカで流行していたカラフルな新聞漫画をスクリーンに写され、説明されましたが、その、凝った絵と文章の不思議な魅力に皆が驚き魅せられました。
さらに、作家が嫌がる質問は、1.この作品はどれくらい自伝的ですか、2.この作品で何を言おうとしたのですか、3.誰の影響を受けていますか、であることなど、現代の作家と密に交流をしながら翻訳をされている柴田先生ならではの話も聞くことができ、興味の尽きない講演でした。
学外からの聴衆の中にはわざわざ大阪から来られた方もいらして、柴田先生の熱心なファンもお見受けしました。質疑応答を含め1時間半強の講演でしたが、あっという間に過ぎて行きました。
2011年度公開講演会開催予定
今年度の講演会では、アメリカ文学研究者であり、翻訳家の第一人者として現代アメリカ文学作品を中心とした翻訳を数多く手がけておられる東京大学文学部教授の柴田元幸先生をお迎えします。「翻訳について―アメリカ文学を中心に」と題して御講演を賜ります。実践英語学科の在学生のみならず、翻訳、アメリカ文学にご関心を持たれている就実大学また学外の方々のご参加を歓迎致します。
御講演内容の概要は次のとおりです。
「アメリカの小説を中心に、詩・絵本・漫画なども含めて、なるべく具体例を挙げながら、それらを翻訳することについて、どういう点に気合いを入れどういう点が問題になるのか、単に読むのとは何が違うのか、質はともかく量だけは長年こなしてきた一翻訳者の立場からお話しします。取り上げる作品は、ポール・オースターやスティーヴン・ミルハウザーの小説、エドワード・ゴーリーの絵本、ウィンザー・マッケイやジョージ・ヘリマンの新聞漫画などになる予定ですが、予備知識は不要です。」
日時:11月19日(土)14:00―15:30
場所:就実大学T館6階 611室
講師:柴田元幸氏(東京大学文学部教授)
演題:翻訳について―アメリカ文学を中心に
その他:入場無料。予約の必要はありません。
「アメリカの小説を中心に、詩・絵本・漫画なども含めて、なるべく具体例を挙げながら、それらを翻訳することについて、どういう点に気合いを入れどういう点が問題になるのか、単に読むのとは何が違うのか、質はともかく量だけは長年こなしてきた一翻訳者の立場からお話しします。取り上げる作品は、ポール・オースターやスティーヴン・ミルハウザーの小説、エドワード・ゴーリーの絵本、ウィンザー・マッケイやジョージ・ヘリマンの新聞漫画などになる予定ですが、予備知識は不要です。」
日時:11月19日(土)14:00―15:30
場所:就実大学T館6階 611室
講師:柴田元幸氏(東京大学文学部教授)
演題:翻訳について―アメリカ文学を中心に
その他:入場無料。予約の必要はありません。
【略歴】
1954年東京生まれ、東京大学文学部教授。アメリカ文学専攻。東京学芸大学教育学部講師・助教授、東京大学教養学部助教授を経て現職。現代アメリカ小説の翻訳・紹介を主たる仕事とされている。著書『生半可な學者』で講談社エッセイ賞、『アメリカン・ナルシス』でサントリー学芸賞受賞、訳書トマス・ピンチョン『メイスン&ディクスン』で日本翻訳文化賞受賞。2008年春より季刊文芸誌『モンキービジネス』責任編集。 【主な著書】
『アメリカ文学のレッスン』(講談社現代新書)、『翻訳教室』(新書館)、『ケンブリッジ・サーカス』(スイッチ・パブリッシング)など。訳書にオースター『ムーン・パレス』(新潮文庫)、ミルハウザー『イン・ザ・ペニー・アーケード』、ダイベック『シカゴ育ち』、エリクソン『黒い時計の旅』(以上、白水Uブックス)、ゴーリー『うろんな客』(河出書房新社)、短篇選集『夜の姉妹団』(朝日文庫)など。
1954年東京生まれ、東京大学文学部教授。アメリカ文学専攻。東京学芸大学教育学部講師・助教授、東京大学教養学部助教授を経て現職。現代アメリカ小説の翻訳・紹介を主たる仕事とされている。著書『生半可な學者』で講談社エッセイ賞、『アメリカン・ナルシス』でサントリー学芸賞受賞、訳書トマス・ピンチョン『メイスン&ディクスン』で日本翻訳文化賞受賞。2008年春より季刊文芸誌『モンキービジネス』責任編集。 【主な著書】
『アメリカ文学のレッスン』(講談社現代新書)、『翻訳教室』(新書館)、『ケンブリッジ・サーカス』(スイッチ・パブリッシング)など。訳書にオースター『ムーン・パレス』(新潮文庫)、ミルハウザー『イン・ザ・ペニー・アーケード』、ダイベック『シカゴ育ち』、エリクソン『黒い時計の旅』(以上、白水Uブックス)、ゴーリー『うろんな客』(河出書房新社)、短篇選集『夜の姉妹団』(朝日文庫)など。
2010年度講演会
講師: 亀井俊介先生(東京大学名誉教授)
演題: 夏目漱石が大学生だった頃
日時: 2010年11月13日(土)14:00-15:45
場所: 就実大学E館4階 E402講義室
演題: 夏目漱石が大学生だった頃
日時: 2010年11月13日(土)14:00-15:45
場所: 就実大学E館4階 E402講義室
1932年のお生まれの亀井俊介先生は、お一人で新幹線で岡山に来られ、お迎えの車から本学に降り立たれて拝見したのは、学究一筋に歩まれ、それ以外にお心を煩わされることなく来られた、飾り気などを全く顧みられない純粋の学者、今日の大学の環境から失われた学究の人のお姿でした。
ご講演は、夏目漱石に関心のある誰しもが興味をもってお聴きする、幸福の1時間45分でした。漱石が東京帝国大学で英文学を専攻した最初の学生であり、ここで英文学を教えることになる最初の日本人教師であったこと、スコットランド人 Jaimes Main Dixon先生から本格的な英文学の講義とは程遠く、カリキュラムらしいもののない授業を受けたことをお聴きしました。また大学生の当時から、文学をめぐり正岡子規と極めて高度な交友関係にあったことを書簡を引用して教えて頂きました。漱石の文学探求の思いはまことに真剣で、熊本高等学校教授を辞して英国留学をする漱石の心境を、
「卒業せる余の脳裏には何となく英文学に欺かれたるが如き不安の念あり。余はこの不安の念を抱いて西の方松山に赴き、一年にして、又西の方熊本にゆけり。熊本に住する事数年未だ此不安の念の消えぬうち倫敦に来れり。倫敦に来てさえ此不安の念を解く事が出来ぬなら、官命を帯びて遠く海を渡れる主意の立つべき所以なし。」( 『文学論』序)
を引かれて、漱石の英国留学は、文学の創作の観点から深く真剣な英文学探求の思いをもって向かったのであることを教えて頂きました。
ご講演の後、控室で休んで頂いている間もなく、学科の女子学生二人が亀井先生のお話に触発されて質問に訪れました。控室まで学生が質問にやって来たのは、久しく覚えがありません。全く未熟ではあっても若い時に、優れた先人に出会うことの何ものにも換えがたく貴重なことを思い、若者の精神に蒔かれた種が二十年後、三十年後に大きく育って行ってくれることを祈りをもって待っています。
ご講演は、夏目漱石に関心のある誰しもが興味をもってお聴きする、幸福の1時間45分でした。漱石が東京帝国大学で英文学を専攻した最初の学生であり、ここで英文学を教えることになる最初の日本人教師であったこと、スコットランド人 Jaimes Main Dixon先生から本格的な英文学の講義とは程遠く、カリキュラムらしいもののない授業を受けたことをお聴きしました。また大学生の当時から、文学をめぐり正岡子規と極めて高度な交友関係にあったことを書簡を引用して教えて頂きました。漱石の文学探求の思いはまことに真剣で、熊本高等学校教授を辞して英国留学をする漱石の心境を、
「卒業せる余の脳裏には何となく英文学に欺かれたるが如き不安の念あり。余はこの不安の念を抱いて西の方松山に赴き、一年にして、又西の方熊本にゆけり。熊本に住する事数年未だ此不安の念の消えぬうち倫敦に来れり。倫敦に来てさえ此不安の念を解く事が出来ぬなら、官命を帯びて遠く海を渡れる主意の立つべき所以なし。」( 『文学論』序)
を引かれて、漱石の英国留学は、文学の創作の観点から深く真剣な英文学探求の思いをもって向かったのであることを教えて頂きました。
ご講演の後、控室で休んで頂いている間もなく、学科の女子学生二人が亀井先生のお話に触発されて質問に訪れました。控室まで学生が質問にやって来たのは、久しく覚えがありません。全く未熟ではあっても若い時に、優れた先人に出会うことの何ものにも換えがたく貴重なことを思い、若者の精神に蒔かれた種が二十年後、三十年後に大きく育って行ってくれることを祈りをもって待っています。
2010年度公開講演会開催予定
本年は、アメリカ文学・比較文学の第一人者として長年に亘り東京大学で教鞭を執られた亀井俊介先生にご来学頂き、「夏目漱石が大学生だった頃」と題してご講演を賜り、実践英語学科学生をはじめ就実大学また広く学外の方々の聴講の機会を設けました。先生ご自身によりますご講演の概要をお知らせします。
「夏目漱石は日本近代文学が生んだ最大の作家といってよいでしょうが、日本の大学で英文学を教えた最初の日本人であり、日本における英文学研究の最大の先駆者でもあります。しかし彼が大学生だった頃、日本の英語・英文学教育はまだ混乱状態で、かれは何をどう勉強したらよいか分からず、いろいろ迷い、苦労しました。この有り様には、いまの私たちにも参考になることが少なくないような気がします。」 日時: 2010年11月13日(土)14:00-15:30
場所: 就実大学E館4階 E402講義室
講師: 亀井俊介先生(東京大学名誉教授)
演題: 夏目漱石が大学生だった頃
その他:入場無料,予約の必要はありません
「夏目漱石は日本近代文学が生んだ最大の作家といってよいでしょうが、日本の大学で英文学を教えた最初の日本人であり、日本における英文学研究の最大の先駆者でもあります。しかし彼が大学生だった頃、日本の英語・英文学教育はまだ混乱状態で、かれは何をどう勉強したらよいか分からず、いろいろ迷い、苦労しました。この有り様には、いまの私たちにも参考になることが少なくないような気がします。」 日時: 2010年11月13日(土)14:00-15:30
場所: 就実大学E館4階 E402講義室
講師: 亀井俊介先生(東京大学名誉教授)
演題: 夏目漱石が大学生だった頃
その他:入場無料,予約の必要はありません
(略歴)
1932年岐阜県中津川市生まれ。東京大学大学院比較文学比較文化専攻博士課程修了。文学博士。1984年東京大学教授、1993年名誉教授になられた後、東京女子大学教授、岐阜女子大学教授を歴任された。また2007年には英文学者としての夏目漱石の代表作『文学論』の注釈版(岩波文庫、上下2巻)をまとめられた。2008年瑞宝中綬章受章。 (主な著書)
『近代文学におけるホイットマンの運命』(1970、学士院賞受賞)
『サーカスが来た!』(1976、日本エッセイスト・クラブ賞)
『アメリカン・ヒーローの系譜』(1994、大佛次郎賞)
『亀井俊介の仕事1:荒野のアメリカ』(1987)
『亀井俊介の仕事2:我が古典アメリカ文学』(1988)
『亀井俊介の仕事3:西洋が見えてきた頃』(1988)
『亀井俊介の仕事4:マーク・トウェインの世界』(1995)
『アメリカ文学史講義』全3巻(1997-2000)
『わがアメリカ文学誌』(2007)、
その他多数。
1932年岐阜県中津川市生まれ。東京大学大学院比較文学比較文化専攻博士課程修了。文学博士。1984年東京大学教授、1993年名誉教授になられた後、東京女子大学教授、岐阜女子大学教授を歴任された。また2007年には英文学者としての夏目漱石の代表作『文学論』の注釈版(岩波文庫、上下2巻)をまとめられた。2008年瑞宝中綬章受章。 (主な著書)
『近代文学におけるホイットマンの運命』(1970、学士院賞受賞)
『サーカスが来た!』(1976、日本エッセイスト・クラブ賞)
『アメリカン・ヒーローの系譜』(1994、大佛次郎賞)
『亀井俊介の仕事1:荒野のアメリカ』(1987)
『亀井俊介の仕事2:我が古典アメリカ文学』(1988)
『亀井俊介の仕事3:西洋が見えてきた頃』(1988)
『亀井俊介の仕事4:マーク・トウェインの世界』(1995)
『アメリカ文学史講義』全3巻(1997-2000)
『わがアメリカ文学誌』(2007)、
その他多数。
2009年度講演会
講師:防衛大学校校長 五百旗頭 真先生
演題:「激動の世界と日本」
日時:平成21年11月28日 14時~
会場:就実大学 E402室
演題:「激動の世界と日本」
日時:平成21年11月28日 14時~
会場:就実大学 E402室
日米関係を中心とした外交問題がクローズアップされている最近の情勢の中、本年は防衛大学校長五百旗頭先生をお迎えして「激動の世界と日本」というテーマで講演を行って頂いた。先生のご専門である政治・外交史、政策過程論の長年の研究に基づき、日本の古代から現代に及ぶ外交関係の歴史を身近な事柄を例にひきながらわかりやすく紹介して頂いた。
白村江の戦いから江戸の鎖国、明治維新、また第二次世界大戦の前後から現在の日米関係や世界情勢に至るまで、海外との様々な関係と影響下にあったが、古くは唐時代の中国と朝鮮、日本との関係が大いに我が国の国力や文化発展に寄与した歴史的な事実を指摘し、国際関係上の失敗においても日本は巧みに失敗を成功の因にしてきた優れた外交政策を実施してきた点が解説された。
また明治維新以後の国際情勢について第二次大戦までのアジアの人望を失う外交と戦後の複雑な国際関係の対比を行い、今後の外交に示唆的な指摘を頂いた。とくに古代より多くの外交上の危機をむかえるたびに日本が大きく国際的に成長し発展して来た事実をあげ、日本と日本人の優れた能力と国際性を紹介している点は、現在世界的に大きな局面をむかえている情勢の中で、大変有意義な内容であった。
今後益々多様化するグローバル化と国際情勢の中で、日本の政治・外交・防衛問題等、どのような慎重な対応と努力が必要なのかという問題に対して、大変示唆的なご講演であった。 五百旗頭先生のご講演の概要は、12月6日(日)の毎日新聞第2面のコラム「時代の風」に掲載されています。
白村江の戦いから江戸の鎖国、明治維新、また第二次世界大戦の前後から現在の日米関係や世界情勢に至るまで、海外との様々な関係と影響下にあったが、古くは唐時代の中国と朝鮮、日本との関係が大いに我が国の国力や文化発展に寄与した歴史的な事実を指摘し、国際関係上の失敗においても日本は巧みに失敗を成功の因にしてきた優れた外交政策を実施してきた点が解説された。
また明治維新以後の国際情勢について第二次大戦までのアジアの人望を失う外交と戦後の複雑な国際関係の対比を行い、今後の外交に示唆的な指摘を頂いた。とくに古代より多くの外交上の危機をむかえるたびに日本が大きく国際的に成長し発展して来た事実をあげ、日本と日本人の優れた能力と国際性を紹介している点は、現在世界的に大きな局面をむかえている情勢の中で、大変有意義な内容であった。
今後益々多様化するグローバル化と国際情勢の中で、日本の政治・外交・防衛問題等、どのような慎重な対応と努力が必要なのかという問題に対して、大変示唆的なご講演であった。 五百旗頭先生のご講演の概要は、12月6日(日)の毎日新聞第2面のコラム「時代の風」に掲載されています。
2009年度公開講演会開催予定
今年度は、英語学・英語教授法・通訳あるいは英米文学といった、実践英語学科に直接関係した研究教育領域専門の講師をお招きする従来の学科の講演会から枠を広げ、学生たちが英語を学ぶにあたり基盤に置くべきもの、英語を学ぶ根拠をしっかり考えて頂きたく、お招きする講師の方を幅広く探し、検討しました。そこで、ともすると現代の大学生の意識が日常の身の回りに捉えられがちな中で、日米関係を一つの軸にした国際関係の中における日本、その中における私達個人ということを考える機会としてまさに好適な講師の方、演題に恵まれたことと考えています。
日時: 2009年11月28日(土)14:00-15:30
場所: 就実大学E館4階 E402講義室
講師: 五百旗頭 真先生(防衛大学校長)
演題: 激動の世界と日本
その他:入場無料,予約の必要はありません
場所: 就実大学E館4階 E402講義室
講師: 五百旗頭 真先生(防衛大学校長)
演題: 激動の世界と日本
その他:入場無料,予約の必要はありません
略歴
法学博士。専門は、政治史・外交史・政策過程論。1943年兵庫県生まれ。京都大学法学部卒業、同大学大学院法学研究科修士課程終了。広島大学、神戸大学において教鞭をとられ、2006年8月に第8代・防衛大学校校長に就任。この間、米国ハーバード大学客員研究員、英国ロンドン大学客員研究員、放送大学客員教授、日本政治学会会長を務める。 主な著書
『米国の日本占領政策(上)(下)』(昭和60年、サントリー学芸賞)、『日米戦争と戦後日本』(平成2年、吉田茂賞)、『占領期―首相たちの日本』(平成10年、吉野作造賞)、『戦後日本外交史』(編著、平成11年、吉田茂賞)、『日米関係史』(編著、平成20年)、『歴史としての現代日本』(平成20年、毎日書評)
法学博士。専門は、政治史・外交史・政策過程論。1943年兵庫県生まれ。京都大学法学部卒業、同大学大学院法学研究科修士課程終了。広島大学、神戸大学において教鞭をとられ、2006年8月に第8代・防衛大学校校長に就任。この間、米国ハーバード大学客員研究員、英国ロンドン大学客員研究員、放送大学客員教授、日本政治学会会長を務める。 主な著書
『米国の日本占領政策(上)(下)』(昭和60年、サントリー学芸賞)、『日米戦争と戦後日本』(平成2年、吉田茂賞)、『占領期―首相たちの日本』(平成10年、吉野作造賞)、『戦後日本外交史』(編著、平成11年、吉田茂賞)、『日米関係史』(編著、平成20年)、『歴史としての現代日本』(平成20年、毎日書評)
2008年度講演会
講師: マーク・ピーターセン(明治大学政治経済学部教授)
演題: 英語の軽薄化-The Dumbing Down of English in Japan
日時: 2008年11月15日(土)14:00-15:30
場所: 就実大学E館4階 E402講義室
演題: 英語の軽薄化-The Dumbing Down of English in Japan
日時: 2008年11月15日(土)14:00-15:30
場所: 就実大学E館4階 E402講義室
ピーターセン先生は、近年の大学生の英語作文力に懸念を表明され、英語作文に於いて日本人が多く陥っている誤りを例示され、解説を加えられました。そのような誤りが生ずる原因の一つとして、中学・高校の英語教科書に見られる間違った英語、不適切な文例、文法の説明が鋭く指摘されたのには目が開かれる思いがしました。willとbe going to の使い分けを含む、時制の適切な用法、関係代名詞の限定・非限定の働きによるニュアンスの違いについてなど、学生諸君には大変貴重なご講演でした。また高等学校の英語の先生方を主に約50人の学外聴講者にお聴きいただくことができましたことも、実践英語学科として大変喜ばしいことでした。日本人の英語作文に関して、尽きない事例をお持ちの先生のご公演をお聴きする次の機会が望まれます。 (11月27日記)
2008年度公開講演会開催予定
昨年度の鳥飼玖美子先生(立教大学大学院教授)の講演会「大学英語教育の使命―〈仕事で使える英語〉とは何か」に続き,今年度は『日本人の英語(正・続)』(岩波新書)で知られる明治大学教授マーク・ピーターセンMark Petersen先生をお迎えして,英語・英米文化をめぐる講演会を開きます。
日時: 2008年11月15日(土)14:00-15:30
場所: 就実大学E館4階 E402講義室
講師: マーク・ピーターセン(明治大学政治経済学部教授)
演題: 英語の軽薄化-The Dumbing Down of English in Japan
その他:入場無料,予約の必要はありません
場所: 就実大学E館4階 E402講義室
講師: マーク・ピーターセン(明治大学政治経済学部教授)
演題: 英語の軽薄化-The Dumbing Down of English in Japan
その他:入場無料,予約の必要はありません
講師紹介
1946年,アメリカ・ウィスコンシン州生まれ。英語関係の多くの著作で知られる。大学院での専攻は日本文学。コロラド大学で英米文学,ワシントン大学大学院で近代日本文学を専攻。1980年フルブライト留学生として来日,東京工業大学で岡山出身(備前市穂波)の作家・正宗白鳥を研究。来日してはじめて訪れた地方都市が岡山県備前市。現在,明治大学政治経済学部で教養文科系教員として英語科目およびゼミナール(「近代アメリカの芸術と時代」など)を担当。
その著作は,日本人の英語,日本での英語教育に対して,固定観念や時流に流されないおだやかな指摘に満ちている。生きた英語というものへの短絡的なアプローチに疑問を投げかけ,きちんとした英文法教育の重要性を問い直す視点から語りかける著作は多くの読者を得ており, Amazon.com.jp のランキングでは,最初の著書『日本人の英語』が,英語学習関連の書籍のうち,学習法部門および英文法・語法部門で第1位,岩波書店の全出版物のうち岩波新書部門で第2位(『日本人の英語(続)』が第6位)という結果を示している(2008年5月31日現在)。
『日本人の英語』(1988),『日本人の英語(続)』(1990),『心にとどく英語』(1999,以上岩波新書)をはじめとして多くの著作があるが,近著では『徹底例解 ロイヤル英文法(改訂新版)』(綿貫陽改訂,英文校閲マーク・ピーターセン,旺文社,2000),『表現のための実践ロイヤル英文法』(綿貫 陽との共著,旺文社,2006)『表現のための実践ロイヤル英作文法 問題演習』(綿貫 陽との共著,旺文社,2007),『マーク・ピーターセンの英語のツボ』(集英社インターナショナル,2008年3月)などがある。
『文芸春秋』2006年8月号では,昨年度の本学公開公演の講師,鳥飼玖美子先生と「何で小学校で英語やるの ―〈早くから始めれば英語が話せる〉は大間違い」と題した対談を行なっている 。
2007年度講演会
立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科教授で、国際会議同時通訳者として活躍され、NHKテレビ「英会話」講師を勤められるなど、英語教育、異文化コミュニケーションの分野で著名な、鳥飼玖美子先生を講師にお迎えし、「大学英語教育の使命―〈仕事で使える英語〉とは何か」という演題でお話いただきました。
「仕事で使える英語」とは、どの程度の英語能力をいうのか、またそもそも「コミュニケーション能力」とはなにか、そして今求められている「21世紀社会における異文化コミュニケーション能力」はどのようなものであるのかを、理論で裏付けながら、しかしわかりやすい言葉でお話いただきました。学生にとっても、一般の聴衆の方にとっても、大変有意義な二時間でした。
「仕事で使える英語」とは、どの程度の英語能力をいうのか、またそもそも「コミュニケーション能力」とはなにか、そして今求められている「21世紀社会における異文化コミュニケーション能力」はどのようなものであるのかを、理論で裏付けながら、しかしわかりやすい言葉でお話いただきました。学生にとっても、一般の聴衆の方にとっても、大変有意義な二時間でした。
2007年度公開講演会開催予定
2007年度講演:日時 11月17日(土) 午後1:30時~3時30分
:講師 鳥飼玖美子先生(立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科教授)
:演題 「大学英語教育の使命―<仕事で使える英語>とは何か」 鳥飼玖美子先生のご略歴と専門分野
上智大学外国学部イスパニア語学科卒業。英国サウサンプトン大学人文学研究科博士課程修了(Ph.D)。同時通訳者として国際会議およびテレビで通訳。NHKテレビ「英会話」講師。言語コミュニケーション論、英語教育、通訳翻訳論。 最近の主なご著書
『TOEFL/TOEICテストと日本人の英語力』(講談社現代新書、2002年)
『歴史を変えた誤訳』(新潮文庫、2004年)
『危うし!小学校英語』(文春新書、2006年)
『通訳者と戦後日米関係』(みすず書房、2007年)ほか多数。
:講師 鳥飼玖美子先生(立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科教授)
:演題 「大学英語教育の使命―<仕事で使える英語>とは何か」 鳥飼玖美子先生のご略歴と専門分野
上智大学外国学部イスパニア語学科卒業。英国サウサンプトン大学人文学研究科博士課程修了(Ph.D)。同時通訳者として国際会議およびテレビで通訳。NHKテレビ「英会話」講師。言語コミュニケーション論、英語教育、通訳翻訳論。 最近の主なご著書
『TOEFL/TOEICテストと日本人の英語力』(講談社現代新書、2002年)
『歴史を変えた誤訳』(新潮文庫、2004年)
『危うし!小学校英語』(文春新書、2006年)
『通訳者と戦後日米関係』(みすず書房、2007年)ほか多数。