林原美術館と就実大学の包括的連携協定
林原美術館と就実大学は、3月21日、所蔵品に関する研究と、学芸員資格取得希望の本学学生への教育促進に関する包括的な連携協定を締結しました。調印式は林原美術館内のホールで、長瀬玲二同館理事長と、片岡洋行就実大学長により行われました。
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同館は旧藩主池田家の什器、美術品をはじめ、多くの古典籍、古文書を所蔵しています。美術館は9千点以上の史資料を所蔵するものの、古典籍・古文書の大半は未整理の状態であると言われています。近年、同館の未整理のものの中から、明智光秀の家臣の書簡集「石谷家文書」や、藤原定家直筆「明月記」の断片など貴重なものが発見され、話題になりました。この協定は新たな資料の発見を目指して、本学の「吉備文化研究所」の教員を中心に判読し、整理や分類を通して歴史・文化との連関を探ることを目標にしています。同館は就実大学の研究力によって、未整理の文書類からの新たな発見を期待し、本学は教員における研究の充実と大学全体の活性化、さらに、歴史・文化研究への貢献を目指しています。すでに、同館には学生の博物館実習を受け入れていただいているのですが、文書の判読と整理作業に、資格取得希望の学生の協力参加の可能性を摸索したいと考えています。
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同館の大学との協定は関西地方に一校あるのみで、岡山県下での締結は本学のみです。本学にとっては、倉敷考古館についで二件目の博物館、美術館との締結です。
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<写真上:長瀬理事長・片岡学長 写真下:松尾人文科学部長・土井教授>