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リレーエッセイ 『心理学とわたし』

 

 

教育心理学科は、養護教諭や特別支援学校教諭の養成課程のある教員養成系学科ですが、同時に、認定心理士資格が取得できる教育系の心理学科でもあります。

 

本学科において心理学は、養護と特別支援という2つの領域を仲立ちする学問領域と位置づけられます。心のケアもできる養護教諭、心理療法の知識を備えた特別支援学校教諭が育ってほしいと考えています。

 

もちろん、大学院に進学し臨床心理士養成課程を修め、心理臨床の専門家として活躍することも期待しています。というわけで、教育心理学科の学生は、何らかの形で心理学とかかわりますし、学科所属の教員も、専門こそ違いますが、多かれ少なかれ心理学と接点をもっています。

 

そこで、在学生や高校生が心理学により興味をもったり、教育心理学科への関心が深まることを期待して、学科教員がそれぞれの立場で心理学とのかかわりについてリレーエッセイの形で語ることにしました。

 

 

 

 

 

「第1回 心理学との出会い」

北川歳昭(教育心理学、教育相談、精神保健)



「心理学」という言葉と最初に出会ったのは、小学校高学年のころ、父の本棚に「兒童心理学」という書名の本を見つけたときであろうか。

 

本の内容に興味をもったわけではないが、子どもの心についての本があるんだという不思議な気持ち、父が子どもの心に関心をもっているのかという驚きの気持ちとともに、古ぼけた本の背表紙が鮮明な記憶として残っている。

 

父は、満州から一家で命からがら引き揚げてきた後、教員に復帰しすでに15年ほどたって生活が安定したころで、当時、小学校の教頭をしていたのではないか。母とは違い、口数の少ない父ではあったが、存命中に、親同士として、また教育に携わる者として、子どもの心のとらえ方について語り合いたかったと悔やんでいる。


 

心理学との出会いは身近であったが、その道程は長く、いまだ到達地点はみえない



心理学の面白さとの最初の出会いは、高校1年の時、親戚の下宿先で、テレビのサスペンスドラマで見た、白衣の調査官が被疑者に何やら妙な図柄を見せてその回答から心理分析するというシーンであったと思う(それがロールシャッハ・テストなる心理検査であり、その適用と解釈には専門知識と熟練技能が必要であることは後で知ることになる)。

 

その出合いが心理学に魅力を感じた瞬間であったのか、2年後の進路を決める際にそのシーンが明瞭に思い出されたのであった。

 

心理学との出会いは実に身近にあるものだが、心理学との付き合いの道程は長く険しく、極めの到達地点はいまだに見えてこない。

 

 

 

 

 

 

 

 


「第2回 わたしが心理学を選んだ背景」

堤幸一(認知心理学、実験心理学、心理統計学)



私はかなり小さいころから科学全般に興味があって、特に機械や電気には強く惹かれていた。そんな科学オタクだった私は、小学校の早い段階から一般の事務職に就く気はなく、科学者・研究者になろうと決めていた。

 

最初に興味を持った対象はロケットだったが、小学校の頃、TVアニメ「鉄腕アトム」に出会い、ロボットへ興味の対象が移った。初めは単に人型の機械で、機械好き的な興味でロボットをみていて、そのままならば、たぶん工学方面へ進学しただろう。

 

ところがその後、中学時代に、アトムの原作者、手塚治虫のマンガ「火の鳥」との劇的な出会いを果たす。アトムの人間くささがとても気になっていた私にとって、火の鳥:未来編に登場するロボット「ロビタ」が忘れられない衝撃を与えた。原作を知らない人のためにネタバレを避けていえば、どうしてロビタはそんなに人間くさいのかに強い興味を覚えたということである。

 

 

 

「人間くさい」ということの本質を研究するために「心理学」を目指した


 

さらに趣味のSF小説で出会った多くのロボットたちにも惹かれたが、そのころにはもうハードウエアつまり、機械の総体としてのロボットではなく、ロボットを人間くさくするもの=ソフトウエアに興味がシフトしていた。

 

高校時代、大学への進学を考えたときには、人間くささを生み出すソフトウエアをどのように研究していくのかに繋がる方面をいろいろと考えた。そして単なる見かけの人間くささではなく、「人間くさい」ということの本質を研究していきたいと考えるようになり、「心理学」を目指したのである。