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「第8回 心理学とわたし」

 

教育心理学科は、養護教諭や特別支援学校教諭の養成課程のある教員養成系学科ですが、同時に、認定心理士資格が取得できる教育系の心理学科でもあります。

 

本学科において心理学は、養護と特別支援という2つの領域を仲立ちする学問領域と位置づけられます。心のケアもできる養護教諭、心理療法の知識を備えた特別支援学校教諭が育ってほしいと考えています。

 

もちろん、大学院に進学し臨床心理士養成課程を修め、心理臨床の専門家として活躍することも期待しています。というわけで、教育心理学科の学生は、何らかの形で心理学とかかわりますし、学科所属の教員も、専門こそ違いますが、多かれ少なかれ心理学と接点をもっています。

 

そこで、在学生や高校生が心理学により興味をもったり、教育心理学科への関心が深まることを期待して、学科教員がそれぞれの立場で心理学とのかかわりについてリレーエッセイの形で語ることにしました。

リレーエッセイ 第8回 私と心理学

鈴木 薫(養護学)

 

私が心理(学)に関心を持ち始めたのは、部活に夢中だった中学時代です。メンタルトレーニング、コーチングに関心がありました。大学3年次に保健管理センターの先生の授業を受けてからは関心の幅が広がり、センター主催の読書会に参加するようになりました。臨床心理学の書籍だけでなく、「万延元年のフットボール」「甘えの構造」「母原病」などを読んで語り合った時間はとても貴重でした。

 

卒業後は養護教諭として、岡山県教育センターの教育相談研修講座や研修会に通うチャンスに恵まれました。ここでは熱心な教諭や養護教諭の方々と共に、子どもたちや保護者、担任への対応、組織での養護教諭の役割を考える機会に恵まれました。心のケアの必要性が続いた時期には、精神科医や大学教員による研修も多く組まれました。この頃、開発的な心の健康教育の研修の機会も増えてきました。また、現役時代には、スクールカウンセラーの方たちとの出会いもありました。学校に来られたらまず保健室で打ち合わせ、勤務終了後は次週までの予定を話していました。この頃から(もっと以前から)、保健室は健康や発達に関する外部の方と学校をつなぐセンター的役割を果たしていたのですね。

 

そして、私生活の部分では、結婚、出産、子育てなど人生の節目で、ユング、親業やアドラーの考え方に助けられました。おかげで、キャリアの中で味わう楽しさや苦しさの経験が、保護者との関係づくりに役立ったと思います。人生に無駄な経験はないのでしょう。私は心理学者ではありませんが、心理(学)は私の身近なところにあったからそう思えるのだと実感しています。

 

そして今思うこと。ひとつ目は、心理学はすべての人に有益な学問であること。二つ目は、仕事として捉えた場合、カウンセラーと養護教諭は違う役割を持つこと。三つ目は、心理の根底にあるものは何かを自分なりに見極めることが大事だということです。人生は何歳になっても考え事は尽きません。人生のパートナーとして、心理(学)が身近にあると素敵だなと思います。