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リレーエッセイ 第10回心理学とわたし

教育心理学科は、養護教諭や特別支援学校教諭の養成課程のある教員養成系学科ですが、同時に、認定心理士資格が取得できる教育系の心理学科でもあります。

 

本学科において心理学は、養護と特別支援という2つの領域を仲立ちする学問領域と位置づけられます。心のケアもできる養護教諭、心理療法の知識を備えた特別支援学校教諭が育ってほしいと考えています。

 

もちろん、大学院に進学し臨床心理士養成課程を修め、心理臨床の専門家として活躍することも期待しています。というわけで、教育心理学科の学生は、何らかの形で心理学とかかわりますし、学科所属の教員も、専門こそ違いますが、多かれ少なかれ心理学と接点をもっています。

 

そこで、在学生や高校生が心理学により興味をもったり、教育心理学科への関心が深まることを期待して、学科教員がそれぞれの立場で心理学とのかかわりについてリレーエッセイの形で語ることにしました。


 

 

 

 

「心理学とわたし」  森口清美(小児看護学)


私の専門は小児看護学です。入院した子ども達が安心して学校に戻ることが出来るために必要な「復学支援」に関する研究をしています。

長い期間、入院をしていた子ども達は退院が決まった時、うれしい気持ちだけでなく「みんなは私のことを覚えてくれているのかな?」、「久しぶりに会った時、何て言われるのかな?」と不安な気持ちを抱いています。その様な子ども達を見て「何か手助けをしたい」と思ったことがきっかけで、研究を始めました。

現在、復学支援プロジェクトチームに参加して多方面の研究者や絵本作家さんと一緒に、入院している子どもの気持ちを描いた絵本とクラスメイトや学校の先生方に読んでもらいたいパンフレットを作成しています。このような絵本やパンフレットを作る時に気を付けているのは、内容を伝えたい子ども達の認知の発達段階に合わせることです。

その時に役立つ理論として、発達心理学があります。心理学者のジャン・ピアジェが唱えている認知発達段階説の中で、具体的操作段階の小学生(712歳)は、目に見える具体的な出来事を想像出来ないと、思考は困難になることが示されています。そこで具体的な例を入れたパンフレットや入院生活が連想できる絵本を使って、復学先のクラスメイトや先生の理解を高めようと試みています。

実際にこの絵本を読んだクラスメイトが、「入院している友達が寂しがらないように、手紙を書いてみよう!」「学校に帰ってきたら、特別扱いではなくて、困った事はないか聞いてみよう!」と自ら考えて行動してくれることを願っています。

まだ試行錯誤の段階ですが、ゼミの学生さんと一緒に、このような復学支援の輪を広げていきたいと夢見ています。