2017年度 新入生研修旅行(2017年4月21日-22日)
毎年恒例となっている総合歴史学科の新入生研修旅行は、おもに近畿地方の史跡を見学するという内容になっています。新入生にとっては、相互の親好を深める重要な機会ともなります。今年は、奈良県橿原市の橿原神宮、橿原考古学研究所附属博物館、今井町の町並みなどを見学しました。
4月21日(金)午前8時30分、新入生94人が岡山駅東口噴水広場に集合しました。今年は欠席者や遅刻者もなく、全員が参加できる旅行となりました。
まずは8時59分発の新幹線「のぞみ」で新大阪に向かいます。そこからバスで高速道路を辿り、奈良県橿原市の橿原神宮前に到着しました。
橿原神宮は、九州から東征した神武天皇が、畝傍山のふもとに建立した神社と言われています。日常、地元で目にしている神社と比べて格段に規模が大きく、拝殿から本殿までの距離や、そこに広がる白洲の広大さに目を奪われました。
橿原神宮 正門より参道へ
拝殿から本殿を拝す
橿原神宮 参道を下る
その後、オークホテルで純和風の昼食をとり、橿原考古学研究所附属博物館へ向かいました。館長の坂靖氏から説明を受けたのち、各自が館内の展示を見て回りました。先土器時代から中世までをテーマとする展示ですが、さすがに大和王権の本拠地だったこともあり、古墳時代の優品の数々には、多くの新入生が食い入るように見入っていました。
橿原考古学研究所 附属博物館に到着
橿原考古学研究所 附属博物館の展示を見る
ここから少しだけバスに乗り、北方の今井町に向かいます。今井町は戦国時代に発展をとげた浄土真宗今井道場の寺内町で、重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。内部には多くの商工業者が居住し、戦国時代には自治都市として栄えました。戦国大名との交戦にそなえて周囲は濠でめぐらされており、その一部は町の南西部に復元されています。
今井町まちなみ交流センター前に集合
今井まちなみ交流センター前から、江戸時代の役所でもあった今西家住宅(重要文化財)に向かい、屋内の土間で今西家の方から説明を受けました。土間とは言っても、いわば裁判所のお白洲にあたる場所ですので、教員と新入生の合計106名を収容することのできる空間となっています。住宅には牢屋も付属し、また室内を仕切る袋戸や自動的に鍵のかかる倉庫の扉など、忍者屋敷を思わせる造りには驚きの声があがりました。
史跡 今西家住宅で説明をうかがう
こののち、1時間ほど町内を自由に散策しました。
再びバスに乗り込んで、宿泊先の京都へ向かいます。京都日航プリンセスホテルに到着してからは、基本的に自由行動となり、翌日もグループごとの京都市内観光となりました。
22日(土)午後3時40分に京都駅西八条口に集合、4時10分の新幹線「のぞみ」で岡山に帰着しました。皆、積極的に多くの見学先を回り、グループ内の親睦もはかられたようで、今後の学修にとって有意義な旅行となりました。
(文責・苅米)
2016年度 新入生研修旅行:2016年4月22日-23日
今年度の新入生研修旅行として、2016年4月22日(金)・23日(土)の両日、学生95名と教員12名の参加により、彦根城と京都市内を見学しました。ちなみに、総合歴史学科の前身である就実女子大学史学科時代、1999年の新入生研修旅行でも彦根城を見学しています。
4月22日、新大阪駅からバス3台に分乗し、滋賀県彦根市へ向かい、昼食後、まず彦根城博物館を見学。井伊家ゆかりの武具や調度品、美術品が多数展示され、見ごたえがあります。(*写真1)
1. 彦根城博物館
折よく「ひこにゃん」の出演時間とも重なり、館内ホールで撮影会となりました。(*写真2)
2. ひこにゃんとご対面
そして、いよいよ登城。鐘の丸から橋を渡って天秤櫓(重要文化財)へ、さらに太鼓門櫓(重要文化財)をへて天守閣へ行きたいところですが、今回は天秤櫓の内部が公開されていましたので、まずは見学です。(*写真3)
3. 彦根城天秤櫓
屋根を支える部材には、古い大工道具である槍鉋でけずった痕がうろこ状に残っており、時代の古さを感じさせます。(*写真4)
4. 天秤櫓の内部
天秤櫓から博物館の方向を望むと、堀の向こう側に馬屋(重要文化財)が見えます。(*写真5)
5. 彦根城馬屋(中央の建物)
江戸時代、平時・軍事のために馬が多数飼育されていました。各地の城には馬屋が必ずあったはずですが、今日まで城内に残っているのは彦根城の馬屋だけで、たいへん貴重な遺構となっています。
天秤櫓から天守閣へ。国宝の天守閣は小ぶりながら、バランスがよく、いつ見ても美しい姿をしています。天守閣内部をゆっくり見学したのち、学生たちも教員も天守閣の周囲にたたずみ、その美しさを堪能しました。(*写真6・7)
6.国宝彦根城天守
7. 国宝彦根城天守
今回、さらに嬉しかったのは、西の丸三重櫓(重要文化財)も内部を公開していたことです。西の丸三重櫓は、浅井家の小谷城に由来するとも伝えられる櫓ですが、幕末にかなり修築されています。(*写真8)
8. 彦根城西ノ丸三重櫓
内部の木材は、江戸末期以降の古民家建築などで見られる部材と同じような加工がされており、天秤櫓内部の部材と比べて大きな時間の隔たりを感じさせます。(*写真9・10)
9. 西ノ丸三重櫓内部
10. 三重櫓から琵琶湖を望む
個人的には6回目の彦根城訪問ですが、今回がもっとも充実した見学内容であったと思います。
その後、夢京橋キャッスルロードを散策して、おみやげを購入するなどし、夜は新入生研修旅行の定宿であるホテル日航プリンセス京都に宿泊。
翌4月23日は、恒例の学生たちの自主的なグループ行動による京都市内見学をおこない、午後に京都駅八条口へ再集合。無事予定どおり研修旅行を終えることができました。
(文責:学科長 福田)
2015年度 新入生研修旅行(2015年4月17日-18日)
今年度の新入生研修旅行として、学生83名と教員10名の参加により、比叡山延暦寺を訪れました。就実女子大学史学科時代の1988年と2001年にも新入生研修旅行で延暦寺を見学していますので、私のようなベテラン教員にとっては3度目の延暦寺訪問になります。(比叡山延暦寺は根本中堂のある東塔(とうどう)が800年ごろから始まるもっとも古い地区で、その後、西塔(さいとう)が開かれ、さらに横川(よかわ)へと寺域が広がっていきました。)
4月17日は新大阪からバス3台に分乗し、滋賀県大津市坂本から奥比叡ドライブウェイに入り、まず横川にある延暦寺の堂宇(元三大師堂、恵心堂、横川中堂 など)を拝観したのち、またバスで移動し、峰道レストランで昼食。さらにバスで奥比叡ドライブウェイを進み、東塔地区で下車。ここから徒歩で延暦寺の堂宇 群を東塔(根本中堂、文殊楼など)~西塔(浄土院、法華堂、釈迦堂など)の順に拝観・見学しました。
1日で延暦寺の主要な建物をすべて訪れるという欲張りで、体力的にはきつい見学です。急坂をかなりの距離歩いたため、疲れはしましたが、よい日和に恵まれ、森の緑や小鳥の鳴き声に包まれての見学は大変すがすがしく、長く記憶に残るであろう秀逸な研修旅行となりました。
翌4月18日は、恒例の学生たちの自主的グループ行動による京都市内見学をおこない、午後3時半に京都駅へ再集合。無事予定どおり研修旅行を終えることができました。
(文責:学科長 福田)
延暦寺・横川(バス下車) | |
延暦寺・横川(根本如法塔) | |
延暦寺・横川 | 延暦寺・横川 |
延暦寺・横川(元三大師堂) | |
延暦寺・横川(恵心堂) | 延暦寺・横川(恵心堂) |
延暦寺・横川(横川中堂) | 延暦寺・東塔(文殊楼) |
延暦寺・東塔(根本中堂) | |
延暦寺・東塔(根本中堂) | |
延暦寺・東塔(戒壇院) | |
延暦寺・東塔(東塔と阿弥陀堂) | |
延暦寺・東塔(山王院堂へ) | 延暦寺・東塔(山王院堂) |
延暦寺・西塔(法華堂) | |
延暦寺・西塔(釈迦堂と大杉) |
2014年度 新入生研修旅行(2014年4月18日-19日)
4月18・19日の2日間、恒例の総合歴史学科新入生研修旅行を実施しました。研修旅行は京都・奈良方面の歴史遺産を訪れて知的好奇心を高めるとともに、新入生同士や学生・教員間の親睦を深めることを目的としています。今年度の新入生は83名(女子42名、男子41名)で、研修旅行には80名が参加しました。
4月18日、岡山から新幹線で新大阪へ。そこからバス3台に分乗して、まず京田辺市の酬恩庵(一休寺)を訪れました。ここは一休宗純(後小松天皇の実子)が晩年を過ごし、その墓所があります。小規模ながら、よく整備された美しい寺院で、重文の一休禅師木造にご挨拶し、見事な庭園を拝観。心洗われるひとときでした。
伏見へ移動して、酒蔵を活用したカッパ黄桜食堂で昼食。多くの学生が、すぐ近くにある寺田屋(坂本竜馬ゆかりの旅籠)と酒蔵の街並みを見学していました。
最後に宇治へ向かい、宇治神社・宇治上神社を参拝後、昨年見学できなかった平等院鳳凰堂へ。鳳凰堂は長年の修復が終わり、創建当時の色彩に復元され、美しい姿を見せています。ところが、鳳凰堂の内部は人数制限・時間を区切っての見学となっており、私たちは運よく、最後のほうの時間帯で見学を許され、鳳凰堂内の浄土の空間を堪能することができました。
この日の夜は、このところ定宿となっているホテル日航プリンセス京都に宿泊し、疲れをとりました。
翌19日、新入生は5~6名ずつの班に分かれ、旅行前に計画した行動表にしたがって京都市内を見学する自由研修をおこないました。そして、午後3時に京都駅八条口へ再集合。親睦を深め、それぞれに思い出を描きながら、岡山への帰途につきました。
ことしも、新入生研修旅行を無事終えることができました。新入生諸君のご見識と、学科教員各位のご尽力に感謝いたします。
(文責:学科長 福田)
一休墓所と庭園 | 一休禅師木造 |
一休寺 襖絵 | 一休寺 宝物殿 |
一休寺 鐘楼 |
一休寺 本堂 |
宇治神社 |
宇治上神社 |
宇治上神社 |
宇治上神社 |
宇治川近辺 |
宇治十三重塔 |
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2013年度 新入生研修旅行(2013年1月12日-13日)
4月12日から13日までの2日間にわたり、宇治・京都方面へ新入生研修旅行を実施しました。研修旅行は、新入生同士の親睦を深め、歴史にゆかりのある地を訪問し、知的好奇心を高めることを目的としています。なお、今年度の新入生は92名です。
初日の見学先は、宇治市にある宇治神社、宇治上神社(祭神は両神社とも菟道稚郎子〔うじのわきいらっこ〕・応神天皇・仁徳天皇で明治維新までは一体であった)、源氏物語ミュージアム(宇治は源氏物語五十四帖の中で、最後の十帖の舞台となった。復元模型や映像を通じ源氏物語の華やかな世界を堪能できる)へ。
昼食時は、川の中州に立つ現存最古の石塔である十三重石塔を眺めることができました。食後は萬福寺(本尊は釈迦如来、開山は中国福建省出身の隠元隆琦〔いんげんりゅうき〕で、中国寺院様式が見られる)その後、京都市伏見の寺田屋(坂本龍馬の宿舎として有名である)、月桂冠大蔵記念館(1600年代から続く日本酒メーカーであり、明治時代の帳場や酒造りの様子の絵図や道具が展示されている)見学後、京都中心部のホテルへ。その後は各班に分かれて自由に街へ出かけ、京都の夕食を楽しみました。
2日目は、学生同士が数名ごとの各班に分かれ、旅行前に提出された行動表に基づいての自由研修を行いました。これを契機として懇親を深めることができました。
(文責:吉本)
宇治周辺について教員による解説 |
宇治神社でのお祈り |
宇治上神社の鳥居の前で |
一部が改修工事中の宇治上神社 |
宇治上神社本殿(国宝)の覆屋 |
源氏物語ミュージアムの入り口 |
源氏物語ミュージアムを観覧 |
宇治・昼食場所から見た十三重石塔 |
重層の楼門造りの三門(萬福寺) |
布袋坐像(萬福寺) |
食事や法要を知らせるための木魚の原型(萬福寺) |
中国風の回廊(萬福寺) |
寺田屋ゆかりの人物の写真展示 |
寺田屋の外観 |
歴史ある月桂冠大蔵記念館の外壁 |
昔の酒造り道具の展示(月桂冠大蔵記念館) |