本年度大学祭2015年2日目の10月25日(日)に、「魔女狩り ― 図像から探る近世ヨーロッパの闇の世界」と題した講演会を、考古学クラブと就実大学史学会との共催で開催しました。講師は、現在わが国の「魔女狩り」研究の第一人者である黒川正剛(くろかわ・まさたけ)太成学院大学人間学部教授でした。
黒川先生には2009年にも本学にお話に来ていただいたことがあり、今回はそれ以後の先生の精力的なお仕事の成果をふまえた、さらに内容の充実したご講演になりました。魔女とは、異端・ユダヤ人・女性・異教女神・インディオ・民衆文化・貧民といった西洋近世の「負」価値の凝集点だったのだ、という結論部分は、まるでオーケストラのフィナーレを聴いているかのようでした。
聴講者数は100人を超え、考古学クラブとしてはおそらく最高記録の達成です。最後に、講演終了後に回収したアンケートの一部を紹介しておきましょう。
- 「魔女の源流が幾つも重なり魔女という形になったと知り、もう少し調べてみたいと興味がもてた。少し時間が足りなく感じた。」
- 「画像資料を用いた説明で、とても分かりやすかったです。当時の様々な要因が複雑につながって、4~5万人もの人が魔女狩りの犠牲になったことにいちばん驚きました。」
- 「魔女は『魔女の宅急便』などのイメージで、かわいいし、魔法を使えていいなと思っていたけれど、「魔女」をめぐる実態を知ってこわかったです。もっと知りたいと思いました。」等々
(櫻田 記)